旅猫 in Parisパリでは墓地さえ訪ねてしまうのはなぜでしょう。
理由はただ一つ、ガイドブックに “行ってみよう”
って書いてあるからです。
普段はご先祖さまのお墓参りすら怠っているのに。

パリのペール・ラ・シェーズは東京の青山墓地のような場所で、有名人がたくさん眠っています。

日本のお墓は魂の居場所のように感じますが、ここには“ブツ”があります。火葬じゃないから体があるんですよね。
ベルギーでは狭い国土にどんどんお墓を増やすわけにはいかないので
何年かすると掘り起こして共同墓地のような所へ入れられてしまうと
聞きました。国家的に大切な人は固有の墓地を持っていられる期間が
長いとも、フランスはどうなんでしょう。

この墓地では以前冬の寒い日に、画家モジリアーニのお墓を探しさまよったことがあります。
地図を持っていたのですが、所詮お墓、墓石がひたすら横たわっていて
ひとつひとつ刻んである文字を読まないと見分けがつかないからです。

しかし、今回散歩道の途中にあった、オスカー・ワイルドのお墓は容易に
見つかりました。
墓石の代わりに、彼の友人である彫刻家が創ったという
人面を持つ、大きなスフィンクスの石像が立っているのです。
そして、背の届く範囲に無数のキスマーク。
リップスティック忘れたわ、と嘆いているおばさまもいました。
こんなにも女性に人気があったんですね? 知らなかった。

パリのお墓を訪ねていて面白いのは、しばしば墓守のような人が居て
解説をしてくれたり、思い出を語っていたりすること。
オスカー・ワイルドの墓では、作業の途中らしきおじさんがその役割を果たしており、私たち訪問者(主に女性)にいろいろと説明をしてくれました。
数ある有名人の墓の中でも、彼のは特別だから・・・なんて言いながら。

旅猫 in Parisルーブル美術館、大きすぎますよね。
大きすぎてずっと敬遠し、まじめに観ることを避けてきました。
小さな美術館の方が、何を観たいのかの照準を
絞りやすく満足感が得られます。

何度か滞在しているパリですが、ルーブル美術館に
足を踏み入れたのはたったの2回。
初めて訪れたときと母を連れて行ったとき。
いつもカルーゼル・ルーブル止まりだったのに
そろそろ真面目にルーブル、という気持ちになったので
“美術館内お散歩”も含め3回通いました。

1回目はオーディオガイドを借りて、端からきちんと観て回りました。
それでも観たのは、全体の三分の一にも満たなかったと思います。
大理石のレリーフの前に立った時、隣で観ていたおばさんに
“これ知ってる?”と質問され “知らない”と答えると
〈Vous conaissez ca?〉〈non〉
その物語の概要を説明してくれました。
フランス語を理解できるかなんて一言も聞かずに。
何かを感じてくれたのでしょうか、思い出に残る出来事です。

私の美術鑑賞史は、印象派前後のわかりやすい絵画に始まり
宗教画(若干)、現代美術、彫刻、.....等々少しずつ幅を広げ
ようやく様々な美術を受け入れる支度が整ったのかもしれません。
旅猫 in Parisオペラ・バスティーユで
バレエ『ラ・バヤデール』を観劇しました。
美しいの一言に尽きます。

グローバリゼイションは、米国化を意味する事が多く
好ましく思っていない私ですが、
パリ・オペラ座のチケット購入システムは
“VIVA GLOBALIZATION!!”

電話での問合せ・申込みなんてとても無理なので、以前はチケット窓口を
たずねていました。
一度だけガルニエで現代的なバレエを観たことがあります。
オペラのチケットを購入しようと試みた際には、発売後しばらくして窓口に向かうと売り切れ。
運とタイミング? 
なんて思っていたら、現在は、オペラ・ガルニエ、オペラ・バスティーユ
ともにインターネットで容易にチケットの購入ができます。
しかも、郵送料を請求されるもことなく約一週間でチケットが手元に
届きました。
外国人の私たちにとっては有難いことです。
旅猫 in Paris昔は暗〜い店構えで、お金持ちのお得意様を抱え
注文で生産をしているのであろう
一般の観光客相手ではないご商売をしていたのに
数年前からブランドイメージを変え、色鮮やかになり
特に"サンルイ"というトートバッグがファッション関係の方々に人気です。


私の狙いもまさにその”サンルイ”
何色にしようか悩み、悩み、結局クラッシックな黒地x黒革を選択。
ふと気がつくと私の前にアメリカ人の女性が購入していた黒地xマロン革は
もう私の選択肢には含まれていませんでした。
さらにこのお店の特徴であるイニシャルとラインを付けたカスタマイズのオーダーが可能かをたずねると4ヶ月かかるとのこと
さすがにそれは…と一旦諦め、店を出ました。

帰る途中、近くのコレットでウィンドウショッピングをしていると
GOYARDで私の後にカスタマイズバッグを取りにきていたマダムに遭遇。
イニシャル&ライン入りバッグがとっても素敵、素敵。
こうなってしまうと私は抑えが効きません。

ホテルに帰ってバッグを置いた後、日本への配送サービスがあるかどうかを尋ねるために夕方再度お店を訪問しました。これで2度目。
〈Est-ce que vous pourriez l'envoyer au japon?〉〈oui〉
やったー!カスタマイズのオーダー可能です。

その日は土曜だったので週開けの月曜日、一旦持ち帰ったバッグを手に
再びGOYARDへ。3度目。
緑と白の二色使いのイニシャル&ラインに決め、またお支払い。
こういうときはいくらかかるのかなんて細かい事を気にしてはいけません。
・・・バッグの値段はほぼ2倍になっていました。
でもでも絶対素敵!!! 
という訳でこのバッグはまだ私の手元にはありません。届くのは8月かな。

さて、この店にはイケメン長身のお兄さんが、スーツをビシッと着て
髪型を決め、接客しています。
彼の名は、Frank WALTER。
〈Vous etes francais?〉〈Franco allmand〉
つまりフランス人とドイツ人のmixです。
彼の姿を見てゲルマンの血は優秀だと感じざるを得ませんでした。
が、この人の言うことは信用できません。
色を選択する際に、オレンジがキレイだとか、緑がイチバンだとか
クラシカルな黒がいいとか、売れれば何でもいいのか、という感じです。
また、月曜に店に行ったときは初めに訪れた土曜日よりさらに色の選択範囲が限られていました。
商品入荷の曜日があるようなので、これから買おうと思っている方は
ご注意を。
旅猫 in Parisパリに着いたらまずお買い物。
お土産が気になると、滞在が満喫できません。
だから、まず義務を果たして気を楽にするのです。

そして向かったのは、高級ブティックが並ぶおなじみサントノレ通り。
いつ来てもブランドものの紙袋をいくつか抱えた老若男女を見かけたものですが、今回はほとんど皆無。
エルメスでも、バッグがケースにたくさん並んでいるのに日本人客なし。

確かにユーロが強く、日本で購入してもほとんど価格差がありませんから
いじわるなフランス人から外国語を駆使して買う必要はありません。
しかし、こうも風景が変わるものか、日本人の薄情なことよ。

各ブティックに一人はいる日本人の店員さんは失業しないのかしら。
パリの有名店で職を得ている彼女達に
妬ましい気持ちさえ抱いていましたが、この状況は少し心配です。

ひやかしにいくつかの店を覗いた後、さて、いよいよ目的のGOYARDへ。
次回は“GOYARD奮闘記”です。

旅猫 in Parisフランス人は人の目をじっと見つめます。
乗り物で向かい合ったとき、通りですれ違うとき、
列を作っているとき、いつでもどこでも人の目をじっと見つめます。
特に意味はないので、目が合ってしまったら
こちらもじっと見つめ返します。


そして、気になる人のときはじーっと、じーっと見つめます。

パリでホテルに着いたのは夕方。
昨日報告した通り、飛行機の中ではずっとおしゃべりをしていて
ほとんど睡眠をとっておらず、体はへろへろ。
それでも4年ぶりのパリ、少し空気に慣れようと散歩に出かけました。

私のお宿はマドレーヌ、大きな駅と有名デパートから約5分。

デパートをブラブラし、ブティックでお洋服を物色し
ミネラルウォーターと少しの食料を確保した後の帰路で
交差点を渡るとき一人の男性と目が合いました。
ちょっぴり長いアイコンタクト。
でもこれくらいは日常茶飯事。

しばらくブラブラし別の交差点で、再び彼とアイコンタクト。
同じ人と2回見つめ合うと運命を感じてしまいます。
そして、彼も何かを感じたようで
後を追ってきて私に話しかけました。

彼はクリストフ。
出かけよう〈on va prendre um cafe?〉と誘われたけれど
私は着いたばかりでとても疲れているから、と説明し
後日会う約束をして電話番号をもらいました。

“フランスで友人をつくる”という今回の旅の目標
幸先のよいスタートです。

旅猫 in Paris10日間パリに滞在して帰ってきたところです。
写真は一枚もないけれど、心の記憶を
文字で残してみようと思います。

まずは飛行機に乗るところから。
海外に旅立つ際には
できるだけ現地の航空会社を利用するようにしています。
理由は機内に入った瞬間から外国が
味わえるから。


・・・というわけで、今回はエールフランス。
フランスの観光へ向かう人々よりも、乗り換えて
スペインやイタリアに向かう団体旅行者でいつもいっぱいです。

私は通路側の席をあらかじめ確保しており
二人席の窓側に座ったのは若い外国人の男の子。
“フランス人男子か〜”と少々がっかりしていると、
彼が持っているのは英語の本、思い切って話しかけてみました。
〈Do you speak English?〉
彼の名はダニエル、マンチェスター出身の28歳。
東京と広島で休暇を過ごし帰国する途中の彼と、これから休暇に向かう私、12時間のフライトの間にすっかり意気投合し、仲良しになりました。

この頃、外国人に話しかけることがあまり怖くなくなりました。
語学力が上達したわけでもなく、知っている単語をなんとか繋ぎ合わせているだけで、いつも同じ表現しか使えていない状況に変化はないのに
失敗しても一言で通じなくても恥ずかしいと感じることがなくなりました。
私は外国語を話す勇気を持ったのだと考えていました。

このことについて説明をした時にダニエルは、
「君は自信を持ったのだよ」と私に言い、旅の間、自信を持ち続けて
人に話しかけるように〈promise〉と励ましてくれました。

私の今回の旅はこのように始まったのです。